2012年7月のイベントは、FCAの画家来場企画

もう数日経過しておりますので、このブログをご覧の方の中にも、既にご来店いただいた方もいらっしゃるかもしれませんね。
2012年、フジムラコンテンポラリーアートは開廊5周年を迎え、様々なアーティストの作品を発表してまいりました。特に、まだ日本では多くの方に知られていないアート…それは技法、画材、モチーフ、細かなテクニックまで多岐に渡り、斬新なものを持つアーティスト達を発掘し、元町から発信していく!!!そのこだわり一つで5年間過ごして来ました。

アクリル画、油絵、墨、鉛筆画、版画・・・
ガラスやウッドスカルプチャー・・・
韓紙の使用、生花の使用・・・

 

ウレ・リトゲン来日

ウレ・リトゲン来日

 

キム・ミンヒ来日

キム・ミンヒ来日

 

キム・キェファン来日

キム・キェファン来日

 

アーティストも、ドイツ、スペイン、アメリカ、韓国、そして日本…有難いかな、これらのアーティストは、ほとんど来日し、ギャラリーでの有意義なイベントをお客様方と共に行い、素晴らしい心の記念を残す事ができています(^u^)★

 

つだなおこ来場

つだなおこ来場

 

キム・ソングン来日

キム・ソングン来日

 

カガヤ来場

カガヤ来場

 

そして今回。

世界でのアーティスト探しを再度開始。この作業は、常に行いつつも、やはり力を入れて時間をかけて行うと「出会えるかも?」という期待と意識が生まれます。そんな中、意気投合。非常に強い意志を持つ画家に出会ったのです。でもその方は海外の方ではなく、日本人。
一日数時間に及ぶ長い話し合い、その中には、今回のイベントに対する意思の確認、作品に対する情熱、技術的な事…ありとあらゆる事について語り合いました。

最初は、当社の藤村とのひょんな出会いがきっかけでした。しかし、そのちょっとした出会いの中には、多くの感情が絡み合う複雑な想いが語られる内容の濃いことばかり。話し合いが終わると、藤村は疲れ切っていました。それは悪い意味ではないのです。余りにも多くの内容と、その方の歴史、波乱万丈な生き様、作品の奥深さ…。その方個人の想いも幾重に重なり、とても重い気持にもなりました。

 

苔寺

苔寺

 

画家は言います。

「私は福島の出身です。地元を離れてしばらくは経ちますよ。東京に出てきて若い頃から頑張って走り続けてきたものですから…。
しかし、昨年の震災で幾人かの友人、知人、親戚を亡くし、崩壊した故郷を見て、どうしようもない気持ちになりました。僕は画家です。何が出来るんでしょう…?かえってその後、地元にはなかなか戻れません。出来る事がないからなんです。逆に申し訳ない気持ちになるんです。力仕事で協力できる事がある訳でもなく、畑の仕事を手伝えるわけではなく、壊れた家を修理できる訳でもない…」

 

<藤村>では、心苦しい気持ちを持ちながらこの一年お過ごしだったのですね。そんな中。作家活動をお続けになる中、昔と今を比較することなんてありませんか?

 

「今までたくさんの絵を描いてきたけど、それはほとんど注文なんです。編集者さんから言われる期日までに、ちょっと締め切りに追われる気持ちで、徹夜したり。若い頃はそれで良かったし、ある意味今思えば楽しかったし、それなりにお金にもなったし…。ときたま、お客様と直接お話すると妙に緊張しながらも、面白い体験だな~と。慣れてくるとそれが心地よかったリして…♪」

 

「でも、今は自分が求める気持ちのまま、画家人生最後に残したいものは何なのか…?そんな事を毎日考えるようになりました。
60歳超えると、人生観など考えるようになるんですね~。自然と…また、震災なんかも日本に住む一人一人に色々な影響を与えたのではないんでしょうか?自分もその一人ですよ。たまたま年齢が60歳すぎで、節目を考えるタイミングにあたって、余計にどうしようかな?と思う矢先にあたったってことですよ。」

 

フィレンツェ

フィレンツェ

 

「今は若い人たちもだんだん日本離れしていると思うんです。日本の良さ…日本人が持つ謙虚さ、真面目さ、根気強さ、わびやさび。
絵画の世界も、「絵」をパソコンで描くことが主流になって、それが普通になると、何か違うんです。だってパソコンで「絵」を描く時って、修正がいつでも何回でもきくんですよ。「絵」って失敗できない緊張感みたいな勝負の瞬間が大切なんですよ…。忘れてはいけない日本人の心みたいなものを今回表現できればいいな…と。画家としての緊張感みたいなもの含めて。」

 

夜桜

夜桜

 

「私は今まで、アクリル絵の具中心に描いてきたんです。今回画材を変えてみてびっくり。驚きですよ…難しいです。質感みたいなものも、塗り重ねていくタイミングや乾き具合で色や艶が全く違うんです。色々と経験を重ねていく内に新たな発見もある。この年でそんな発見なんて有難い、貴重ですよ。描き手が自分自身の作品で驚きや発見を感じられるなんて若い頃ならまだしも、この年でなんて…」

 

「改めて、自分で新たな道を歩みたい!と決めて始めたことなのに、自分自身で驚く結果があること自体が、とても特別なことでしょうね…これからもどんどん頑張りたいと思っています。今回の企画が、恵まれた特別な機会だということは日々過ごすごとにひしひしと感じています。ご覧頂いたお客様がもっともっと喜んで下さるように…もっともっと日本人で良かったと思ってもらえるように…。」


画伯からのコメントを中心に今回のブログはお送りさせて頂きました。また、インタビュー形式で画伯の想いを今後も引き続き、皆様にもお伝えしてきたいと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次