前回に引き続き、ウレ・リトゲン展、『Ule W.Ritgen来日展2015 -CLOSE TO THE EDGE-』についてのお知らせです。今回のブログでは、ご本人来日前ではございますが、最新作をご紹介させて頂きます。
以下、ウレ・リトゲン画伯より頂戴した作品メッセージ(解説含む)です。
創造物の中心にはポジティブとネガティブな力に基づいた極性の法則がある。全ての生命体はバランスと調和を保った二極の間で振動している。東洋では、この考えは、「陰陽」として知られている。
CLOSE TO THE EDGEとは、崩壊寸前の地球上の美しく素晴らしく豊かな命から、空っぽで、むしろ敵意さえある宇宙までのアレゴリー(比喩)を、漠然とかたどったもので、制作を始めた時にすぐ重大なことに気づいた。自分でも意識したわけではないのに、この絵は陰陽のシンボルを表しているって…。
陰陽のシンボルにはいろんな解釈があるようだけれど、まるで波のように、呼吸をするかのように起こる命の繁栄と衰退や、命の多様性を示しているという説。あるいは、テクノロジー信仰とスピリチュアル的盲目による文明の栄枯衰退という説のふたつが有力なものだ。
資源の搾取による地球の破壊が、我々人類の存在を危うくしていることにやっと気づいたと誰もが感じている。綺麗な水、空気、食べ物、そしてもっと大事なことに ”思いやりの気持ち、愛、他の動植物に対する敬意や、命そのものに対する尊厳” は、人間が生きていくための礎となるものだ。まだ手遅れではないが、太陽は今もこの無知でうぬぼれた命の上に輝いているのだ…
人間の内面がついに覚醒し、CLOSE TO THE EDGE の中の鷹のように舞い降りますように…人類が、この地球と呼ばれる楽園の歴史において忘れ去られたエピソードのひとつとなる前に…。
以上が、ウレ・リトゲン画伯ご本人が事前に送って下さった作品コメントです。
いかがでしょうか!?作品を観る方が、それぞれの想いで眺め、感じ、受け止めることが一番。そして、その感情を作家自身の言葉でさらに高め、味わい、深めることができるならば、それ以上の喜びはありません。
世の中に溢れる素晴らしい名画も、作家が亡くなり、どのような気持ちで作品を描いたのか?がわからないまま、観る人々に気持ちを委ねる…美術館ではそういった作品鑑賞が多いことでしょう。
しかしながら、私共のギャラリーで今回開催される『Ule W.Ritgen来日展2015 -CLOSE TO THE EDGE-』では、今の時代を共に生きる作家自身から、想いを受け取ることが出来ます。共に生きる、素晴らしさがもたらすものです。ギャラリーには、ウレ・リトゲン作品が、20作以上展示。長い時間かけて生み出されてきた素晴らしい作品たちを是非、ご覧下さい。