2020年2~3月に開催したフジムラコンテンポラリーアート主催のSTEVE HALLMARK 2020『THE SEDONA』展には、作家のスティーブ・ホールマーク氏が2年3ヶ月ぶりの来日を果たしました!
何度もこのブログでもご紹介していますが、このスティーブ・ホールマーク氏、NY ART EXPO 2008にてオブジェ部門の最優秀賞を受賞した作家です。
▼FCA所属作家紹介:スティーブ・ホールマーク
https://www.fujimura-art.com/artist/SteveHallmark.html
この時の出品者が約9600名ですので、かなり盛大なEXPOの中で世界に名を知らしめたアーティスト!
ご縁あり、その日から12年。
フジムラコンテンポラリーアートでは作品発表を継続して行い、数年おきに来日をしながらファンの方々と交流を深めてまいりました。
セドナが山火事に見舞われ、自身が避難した時も…
東日本大震災で私たちが絶望した時も…
無理難題のテーマから新作発表に辿り着いた時も…
いつも彼は我々の心に寄り添い、親しげに振舞い、ARTに誠実に向き合い続けてくれました。
奇跡の来日展『THE SEDONA』の実現
その歴史の中でも今回の企画展は、一言で表すと「奇跡の来日展」です。
理由は、言わずと知れた新型コロナウィルスです。
アメリカのアリゾナ州セドナ在住であるスティーブ・ホールマーク氏は、乗り継ぎ(セドナから車でフェニックス→フェニックスから国内線でロサンゼルス→ロサンゼルスから国際線で羽田空港)を利用し日本まで移動します。
来日のタイミングは2020年2月。
世界的に徐々に広がりを見せ始めていた新型コロナウィルスの存在は理解していましたが…
正直なところ、ここまで大変なことになるとは予想しきれていないタイミングでの来日展。
まさに、「奇跡の来日展☆彡」となった訳です。
笑顔のスティーブ・ホールマーク氏に癒されながら、心温めていただく時間…それが今展の最も印象に残った点でもあります。
すべて「木」で作られるスティーブ・ホールマーク作品
スティーブ・ホールマーク作品は、すべて「木」で作られています。
「木」と一口に言っても、種類は様々。
基本的に杉や松、かえでといったものですが、日本で生息するものとは幾分種類が異なり、多くはアメリカ北西部に生える木を使っています。
こだわりは幾つもありますが、最も珍しく世界的な評価の高いポイントが「古木」を使用するという事です。
「古木」……この説明も幾度となく作家から伺いましたが、命あるものの死に際を見据えた判断が必要な部分であるがゆえ、言葉そのものの意味を理解することはできますが…
12年説明を聞き続けた結果、おそらく作家の持つ深い経験に基づいた判断力のようなものは我々には理解できない感覚なのだろうということです。
自然に向き合いながら、そこから得たタイミングを見計らい伐採。
同じものが1つとして存在しない木々を活用して制作。
発想だけでは形に出来ないオブジェ。
やはり才能だけではない経験と感覚。
そして、人にはないアイデア。
様々、兼ね備わった結果、今の“スティーブ・ホールマーク”が存在し、スティーブ・ホールマーク作品が手に取れるということなのでしょう。
奇跡の来日展『THE SEDONA』の展示作品
今回の来日展イベントは、6日間にわたって開催されました。
もちろんスティーブ・ホールマーク氏ご本人も毎日来場!
今まで発表したシリーズもさることながら、最新作まで12年分の作品が展示される圧巻の光景!
シリーズは、『アンモナイト』『SAVE THE EARTH』『KODAI-古代―』『宇宙-SPACE-』などを中心に、シリーズ化していないタイプのデザインの作品も多数、多種類ありますので、色、形状、テーマ、テクスチャー、埋め込まれた石や化石、ガラス…個性もそれぞれ。
今やそれぞれの会期は終了していますが、ご覧いただきたい作品達ばかりです。
アンモナイトシリーズ
SAVE THE EARTHシリーズ
KODAI-古代-シリーズ
宇宙-SPACE-シリーズ
「直に鑑賞する!そこで驚きと共に感動する!!」ことこそが、ギャラリーで美術品を鑑賞する醍醐味です。
新型コロナウィルスの外出自粛によって、それをなかなか実現させられない寂しさは大変に大きいものだと改めて感じています。
多くの種類や個性が存在するオブジェばかりですので、お客様方のご質問もエンドレス…。
回答する作家はもちろん、通訳も大変そうな様子でもありました。
スタッフは楽しむだけ…。
奇跡の来日展『THE SEDONA』で久しぶりの再会
そして2年3ヶ月ぶりの来日展ということは、当然ながらお客様との再会も数年ぶり!
久しぶりの再会を果たしたお客様とお湯のみで「乾杯♪」。
お客様の緊張をほぐそうとした、思いやりが感じられる一瞬でした。
この時も作品解説は多岐にわたり、かつては“秘密”にしていた制作方法など、おもしろくご案内下さいました。
今、手に取っている作品は「宇宙-SPACE-シリーズ」です。
こちらの作品、過去にない特殊な加工を施しており、一見すると見えません。
ですが…実は…!
ここでは明かしませんので、お知りになりたい方は是非、ギャラリーまで足をお運び下さいませ。
きっと驚きと感動に、胸がグっとくるはずです!!
旧作との再会の中にある新たな発見!
作品の材料が、木材であるがゆえの変わる姿に、作品化された後の命の経過を感じずにはいられないもの。
それが、このスティーブ・ホールマーク作品の醍醐味です。
この変化こそ、作品化された後の第二の木の持つ人生なのではないか…?
我々も、次第にそう思うようになってきました。
スタッフも個人的に購入し、自宅に飾っていますので…それぞれに感じることも多く、謎が新たな質問となり、その質問が次の変化への期待となる。
他のアーティストにはない素晴らしいスパイラルがここにあります。
新型コロナウィルスの影響がなければ、もっと多くの方にご覧いただけたのではないか?と思うと悔しくてなりません。
「スティーブさん、かっこよすぎ~!」と笑顔いっぱいのお客様♪
仲睦まじげなお写真からも親しさが伺えます。
お客様が所有するスティーブ・ホールマーク作品について、かなり細かな制作過程なども丁寧に説明します。
これがお客様所有の作品。
身振り手振りを交えながら深いお話をしていただきました。
他のお客様とも談義は繰り広げられました。
過去に制作した作品を前にお話をするスティーブ・ホールマーク氏。
ちなみに、数年前に制作した作品を再び、作家本人が見ることは稀です。
多くはコレクターが所蔵なさると、コレクター宅に飾られたままですので、当ギャラリーのようにコレクター様が持参し、企画展開催中、ギャラリー展示にお力添えいただけるなどは非常に珍しいこと。
スティーブ・ホールマーク氏は来日するたびに、このことについて「素晴らしい!」と感動しています。
作家本人としても数年ぶりに見る、自身の作品。
よって、作品の経年変化に敏感に反応。
どうして色が変化するのか?
セドナでは起きない現象が日本で起きる環境について考えたり…作家自身にとっても様々なことが「学び」につながっているようにも感じます。
作品自体は作家が一番よく理解しているのは当然のことですが、海を越えたここ日本でだからこそ起きる変化は、まさにここでしか見ることが出来ません。
しかしながら、作品の経年変化もスティーブ・ホールマーク氏との12年の歴史(経験)で多くの答えが出ています。
それらについて語り合えることも来日展の特別感なのかもしれません。
2020年2~3月に開催したフジムラコンテンポラリーアート主催のSTEVE HALLMARK 2020『THE SEDONA』展には、作家のスティーブ・ホールマーク氏が2年3ヶ月ぶりの来日を果たしました!
スティーブ・ホールマーク氏の、とある一面
当ギャラリーの看板犬じゅんは…非常に人見知りでシャイな性格で、すぐに親しい関係が築けないキャラクターです。
しかーーーーし…!
数年ぶりに再会したスティーブ・ホールマーク氏には…
すぐに仲良く、愛嬌をふりまき、かまってほしいサインを次々に出していきます!
スティーブ・ホールマーク氏の動物好きな一面が垣間見えるシーンです。
スティーブ・ホールマーク氏から作品が送られてきた際の箱に入る看板犬じゅん☆彡
梱包材は可愛らしい形をしており、日本では余り使われないタイプです。
通称:ピーナッツと言うそうです(笑)
そしてそして!
当ギャラリーにはお客様以外にも、いろんな方が…(^_-)-☆
「どうしてもスティーブさんに会ってもらいたい!」
なんてご近所のコレクター様が愛犬連れでご来店下さいました。
愛おしそうに可愛がってくれる仕草は、動物愛が溢れんばかりです。
なお、このスティーブ・ホールマーク氏。
若かりし頃、オオカミの子供を知人から譲り受けた経験があるそうです(何とも恐ろしいお話ですが…)。
最初は自然の血が流れるオオカミの本能が現れると、かなり大変な事態になったそうです…が、しっかり躾し、木の伐採で森に入る時には必ずついてきて、野生の動物から守ってくれていたそうです。
なかなか昨今、耳にしないお話ですが、実際にご経験された真実のようで、我々も驚いています。
よって、仔犬のような小型犬なら、心を射止めるのも容易い事なのかもしれません…。
お子様も同様のようで…
このお嬢さんに初めて会ったときは赤ちゃん(幼児)でしたが、今ではこんなに大きくなって!!!と微笑ましく抱いて記念撮影いたしました。
コレクターのお客様と記念撮影☆
写真の中のお2人は、完全に「友人同士」です。
保存版!?内藤貞夫先生もご来場!
今年のスティーブ・ホールマーク展は、新型コロナウィルスが多大なる影響を社会に及ぼし始める……直前に開催されました。
とは言え時期的にはコロナ禍にもかかわらず、スティーブ・ホールマーク氏来日の一報を受けて、わざわざ当ギャラリーのフジムラコンテンポラリーアートまで足を運んで下さった内藤貞夫先生。
「いやぁーお久しぶり!お元気でしたか?」
写真から聞こえてきそうなお二人のお声。
実際、そんなご様子でした…♪
英語は苦手と仰る内藤貞夫先生ですが、通訳なしですっかり盛り上がっています!!
実はこのお2人のお付き合いは2013年から。
よって早7年もの友人関係が続いています!!
2013年、スティーブ・ホールマーク氏の新作発表に合わせて内藤貞夫先生にも新作提供をいただいたのがご縁の始まりでした。
内藤貞夫「悠久の大地-祈り」2013年
その名も「悠久の大地-祈り」ジークレオンペーパー/2013年。
当時、内藤貞夫先生が初めてアメリカのアリゾナ州セドナに住むコヨーテをモデルとした作品を構築したものです。
コヨーテの背景にはセドナの有名スポットでもある「カチーナウーマン」という大きなレッドロックを描き、壮大な空に遠吠えするシーンを完成させました。
この作品にはこだわり、内藤貞夫先生が長きに渡り信頼を寄せるジークレ工房まで当ギャラリースタッフが足を運び、校正のお手伝い。
とことんまでこだわり抜いたジークレ版画制作、さらにはそこに特殊加工…なかなかこの世にない珍しい版画作品を発表した経緯があります!
この「悠久の大地-祈り」は、スティーブ・ホールマーク氏がセドナに持ち帰り、現地ギャラリーで展示に向けた交渉も行いました。
素晴らしい友人関係でもあり、激励し合う作家仲間でもあり、尊敬しあう2人の思いがずっと続いていることが、これらの様子からも十分感じられます。
貴重な巨匠同士の他愛もない時間。
自然を敬愛しながら「絵」と「立体」という別のARTを生み出す両作家。
フジムラコンテンポラリーアートは、このお二人の仲を取り持つきっかけとなったギャラリーであるという誇りを持つことができ光栄に思います。
内藤貞夫先生から頂戴したお酒(内藤貞夫作品がラベルになった特別なボトル!)を手に、ご満悦の様子。
そして、スティーブ・ホールマーク氏と久しぶりの再会を喜んだのは内藤貞夫先生だけではありません!
スティーブ・ホールマーク氏のオフショット
無事、今回の来日展も終了。
この日はスティーブ・ホールマーク氏に「来日展お疲れ様でした!」とお伝えする貴重な時間を作っていただきました。
すっかり画商とアーティストの関係を越え、親しみの笑顔をみせる2人。
ここまで12年間。
遠く離れた日本とセドナを繋いだもの…。
それは当ギャラリー、フジムラコンテンポラリーアートのオーナー藤村とスティーブ・ホールマーク氏の人としての温かさと優しさ。
今や互いに新型コロナウィルスで大変な状況に置かれてしまいましたが、またいつの日か再会を果たそうと誓い合いました。
そしてスタッフの金子と堀田はスティーブさんへ、ささやかながら贈り物を。
金子からは、漆。
そして、
堀田からも、漆。
我々がプレゼントに用意したのは偶然にも漆でした(笑)
スティーブ・ホールマーク氏がここ日本に残して下さったものに比べるとささやかすぎる贈り物でしたが、喜んで下さったのでホッとしています。
ご来店のお客様方にもたくさんのお土産をご持参いただき、本当に感謝申し上げます。
「作家も持ちきれないよぉ…」と言いながら、すべてパッキンして帰国。
また次の来日が楽しみです。
そしてさらなる番外編ショット!?がこちら。
当ギャラリー系列ですぐ近くにある「かばのおうどん」に足を運んで下さった時のお写真です!
こちらでも昔なじみのスタッフと再会。
和食もお好みのようで、たびたびお店に顔を出して下さいました。
STEVE HALLMARK 2020『THE SEDONA』展を終えて
2020年の来日展は終了しましたが、いつの日か、またスティーブ・ホールマーク氏に再会したいと思うと同時に、活動拠点にしているアメリカのアリゾナ州セドナにも足を運べるといいな!と思う今日この頃です。
多くのファンがいらっしゃって成り立つ展示会や来日展です。
遠いところから足を運んで下さった方、お忙しい中お時間を作って下さった方、貴重な旧作をご持参下さった方、たくさんのお土産をご持参下さった方…すべてのお客様に心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
今後とも、フジムラコンテンポラリーアートでは様々な企画を立て、皆様にお楽しみいただけるよう努めて参ります。末永くご愛顧賜りますよう、お願い申し上げます。