(まとめ取材)キム・ミンヒの全て! そのビハインドストーリー

みなさん、こんにちは。
今回は、“金属工芸の巨匠、キム・ミンヒの全て!”というタイトルで、みなさんにキム・ミンヒ先生のまだ知られていないビハインドストーリーをご紹介します。キム・ミンヒのことは、以前からこのレポートで多くのことをご紹介してきましたが、今回はその全てをまとめ、よりたくさんの情報を改めて皆さんにご紹介したいと思います!!

現在当ギャラリーと専属契約を結び、韓国だけでなく日本でも活発な活動を行っているキム・ミンヒ。

今年の夏には大手デパートである伊勢丹さんの協力でグループ展を無事に果たすなど、日本でもたくさんのファン層を確保しています。
キム・ミンヒの作品はシルバーとストーン(宝石)、あるいは韓紙が使われます。どちらも自然の素材で、先生の表現では「自然の素材を使って、もう一つの自然を作り出す」とのことです。

 

 

 

様々な素材、様々なスタイルが調和を作るキム・ミンヒの作品

 

ベースになるストーンの周りに曲線の柄のあるシルバーの枠を密着させ、ストーンの自然美を活かしながらも作品にシルバーのポイントを与える…など、彼女の作品にはさりげなく自然が感じられる要素がたくさん盛り込まれています。

このように、キム・ミンヒの作品には自然を再創造させる為のたくさんの独創的な技法が使われています。以前にも紙を使った工芸はたくさんありましたが、キム・ミンヒは紙をそのまま使うのではなく、彼女の伝えたいイメージをよりよくアピールできる彼女ならではの加工技法を考案したのです。
その代表的な例が韓紙の周りを火で焦がす技法です。作品の周りを焦がして出来た煤は、それ自体が作品のポイントになります。そして、紙の端から燃えていく火を指で押して消すことで、作品のサイズを細かく調整しながらも、人為的でない自然なラインと表情を生み出す事が出来ます。

 

ちなみにこのレポートを書いている私も、A4和紙にこの技法をマネしてみたことがありますが、見事大失敗で、さすが巨匠の技と改めて感じました(-。-)y-゜゜゜

 

 

ところで、キム・ミンヒは一体どこでこのような技を身につけたか?!

「一人で全てを開発?」 もちろん違います。
実は、キム・ミンヒの独創的な技法や素敵な作品は、大学・大学院での金属工芸理論や韓国伝統文化の研究、そして何より”彼女の才能”が積み重なった結果です。

いくら素晴らしいアイディアを持っていても、それを実現させない限り、そのアイディアはただの妄想として終わってしまいます。約16年にわたる大学・大学院での研究(碩士学位論文: 韓国の伝統裝身具の製作技法と用語に関する研究、博士学位論文:韓国の伝統錠の造形性に関する研究 – 民話との相関性を中心に) は、先生の閃くアイディアを新しい芸術作品として世の中に生み出せるようサポートしてきました。

そして、キム・ミンヒは自身の経験、才能を自分の創作活動に使うだけでなく、自身の出身大学の教授として、教え子でもあり後輩でもある大学生たちに教えることにより、知識の伝授、人材養成にも力を入れています。

 

あと…最後に紹介したいことは、私が感じたキム・ミンヒの人間性です。
去年、初めて先生と知り合った時のイメージは「かたくて付き合いにくい人」でした。電話で仕事の打ち合わせをする時も、事務的な話が行ったり来たりするだけで、笑いながら冗談などの話をする隙間は少しもありませんでした。

しかし、付き合いがだんだんと長くなり、少しずつ先生との会話も柔らかくなってきました。やはり信頼関係というのは大事ですよね。今は約一年間積み重なった経験に基き、仕事の事だけでなくお互いの信頼関係をも深まったことを実感しています。

 

固い表情で金属を加工しているが、彼女には自然の微笑が隠れている

 

もしキム・ミンヒの最初のイメージがそのまま固まってしまい、そして私がその偏見を持ったまま先生と話をしていたとしたら、今の柔らかい会話や信頼関係は生まれなかったかもしれません。

最初は冷たいストーン、シルバーのようなメージですが、実は誰よりも温かい、柔らかい大自然の曲線のように感じられる、それがキム・ミンヒの人柄ではないでしょうか。

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