フェアウォーニングファンの方々は、先月の日本行脚のライブを終え、一段落して、通常の生活に戻っていることでしょう…。当ギャラリーもウレ・リトゲン作品展示のイベントに一段落をつけ、今は余韻に浸っているところです(^v^)
今回のレポートでは、最新作3点のご案内をメインにお届けしたいと思います。
Winterday
ウリ・ジョン・ロートの「Aquila Suite」というピアノ作品集のために作ったものです。この絵に対になっている曲は「Boreas-冬の北風」という曲で、たくさんの雪と北極から吹き付ける冷たく凍りつく風のおかげで凍えそうに寒い冬の情景をイメージした曲なのです。
でも、ウレ・リトゲン画伯が、この曲を聴きイメージしたものは全く違う方向で、この作品は基の曲からすると、ずいぶん冬の厳しさ脅威と言うものは薄れてしまったそうです。本当はもう少し凍りつくような冬を描くつもりだったそうなのですが。
モチーフは 15、16世紀ごろのオランダの学校を中心とした美しい冬の景色で、場面は大きく二つに分けられています。左側は冬景色の道で、もちろん寒いけれどとても心地よくてロマンチックな風景で、太陽が雲の隙間から優しく光の層を送り届けているのです。それに反して右側は、平和な冬の雰囲気はそう長くは続かないという事は暗示していて、曲のタイトルにもあるBoreas(ボレアス:ギリシャ神話の北風の神)が山を下りて近づいてくれば、あっという間にすべてが真っ白な吹雪に飲み込まれそうな雰囲気を描いた作品になっています。
(一枚の作品の中に、全く正反対の風景が描かれている事にとても驚きました。やはり、ウレ・リトゲン画伯にしか描けない不思議な世界観はとても魅力的です!!)
Zeit
この作品を描くにあたり、参考にしたものは、ZENOの詩です。詩からイメージしたものは、シンボリック的なものでした。
絵の中の季節は、秋から冬に向かい冬へと至る途中の段階なのです。時間は、夕方をイメージし、夕方は空や山々、町並みを赤く染めあげて美しいものですが、明るい昼間の時間が終わり暗い夜がやって来る合図でもある。一日の中でとても短く、一瞬の一時のため、儚さやせつなさ、悲しさ、寂しさ、別れ、近づく死など感じ描いているのです。
ただ、死というのは新しいものが生まれ変わるという意味でもあり、時が過ぎていく様子を描いた作品になっています。
(何もない廃墟のように見えながらも、ウレ・リトゲン画伯の心のフィルターを通せば、全てのものに満たされているとも見える、暖かい作品です!!)
Blue Wind of Healing
この作品はなんと、ウレ・リトゲン画伯ご本人の夢の世界を描いたものです。
画伯にとって、夢の世界と現実の世界は薄い膜でを分けられていて、夢から現実の世界への移行はとてもスムーズであり、やがて現実がさまざまな層と面を持って現れるのです。この絵は夢が持つ癒しの力を表したので、そこでは地形は思考から作られているのです。
光は雰囲気や匂いやメロディーだったり、またその逆だったりもするのです。そして、「癒しの青い風(Blue Wind of Healing)」は優しく果てしない力とともに、心地よく柔らかく吹いているのです。中央の人物は自分自身であり、夢の中でも自分の性格があり、太陽は魂を表し、混ざり合った夢の空間なのです。
(まさに、ウレ・リトゲン画伯の理想の世界。不思議で神秘的…。見る人を不思議な世界に連れて行ってくれそうで、現実逃避が出来そうな作品です!!)
以上の3点の作品が今回の来日を記念し日本に入ってきました。詳しいことは、ギャラリーまでお問い合わせ下さい。