ジョウ・ナイトウ画伯といえば、ワイルド・ライフ・アートを手掛けることで有名な画家です。
ワイルド・ライフ・アートとは、野生動物の生態系を知り尽くしたうえで、動物が目の前に本当にいるかのような写実的に描かれた絵のことをいいます。ナイトウ画伯は、このワイルド・ライフ・アート協会の会長を務めたこともある方です。
ジョウ・ナイトウ画伯の作品は1993年には、アメリカのレイ・ヨーキ・ウッドソン美術館主催の「バード・インアート展」で入選されています。本格的にワイルド・ライフ・アートをテーマに描いた最初の作品が「タシギ」という作品です。この作品は、誰もが最初はどこに動物がいるのかわからない作品と言われています。それだけ、覆い茂った枯れ葉もリアルに描かれており、同じような色味の小さなタシギが潜むように描かれているからです。
画伯ご本人も「もうここまでの細かさはなかなか描けない…」と自ら言うほどです(笑)ご本人がおっしゃるだけのこと…この原画は手放したくない!とご自宅に飾られているそうです(++;)その他に科学絵本ライブラリーのファーブル昆虫記の絵も手掛けています。
このナイトウ画伯が2010年10月8日から13日まで銀座の『文藝春秋画廊』にて個展を開催されていました。この素晴らしいイベントだけは見逃してはいけない…!と、フジムラコンテンポラリーアートは、スタッフ全員でお邪魔しました☆今回の個展の為に1年以上も準備してきたというだけあって、見応えのある作品ばかり!
美しく…逞しく…壮大で…しかし、優しさや愛に包まれた作品で、ナイトウ画伯の情熱と魂を感じずにはいられない特別な風を持つ空間でした。
【1階の作品】
熊が鮭を捕まえて食べている自然のままのシーン、オオタカが口を開けて威嚇しているシーン、リスが何匹も描かれているかわいい作品。そのような中、珍しい素材「タイル画」もありました。
その中でも私が1番印象的だった作品は、「静かな足音」というキジの作品です。これは「タシギ」以来の作品が登場した!!と、一人で盛り上がりました。ははは…(#^.^#)
枯れ草の中で、偶然キジに遭遇して思わず見つめあってしまったかのような。また、このキジが綺麗なんです!皆様も見る機会が今後ありましたら、是非ご覧いただきたいですね。
その他2階には、懐かしく思い出される、昔、版画になった原画(マスターピース)や、イラストレーター時代の作品などがありました。
風変わりな作品でいうと、ジョウ・ナイトウ画伯が飼っている猫の風ちゃんが描かれた作品。猫を知る余り…スタッフには大いに笑みがこぼれる作品でした!その作品では、風ちゃんが擬人化され、片方の手を腰にあてて、片方の手を数字の1にして、上にまっすぐ腕をあげているポーズをとっていたからなんです。どうしてこの構図になったのかとお聞きしたところ、「自分が1番が好きだから風も1番にしてあげようと思った」とのことです。ジョウ・ナイトウ画伯のお茶目な性格が表れています。
最後に「今回の個展は、いかがでしたか?」とお聞きしたら、「ここでしか会えない方もいるし、沢山の方に来ていただけて本当に良かった。ありがたい限りですね。」と。
今後については、「これからは、絵本をもっと手掛けていきたい。国境を越えて世界の子供たちに届けていきたい。」と熱くお話なさっていました。印象的なお姿です。
これからのジョウ・ナイトウ画伯の作品も楽しみですね☆☆