今日は、めずらしく「額装」について、お話したいと思います。皆様のお宅に飾られている絵画作品、中身の作品をじ~っくり鑑賞なさることは、常日頃なさっていることでしょうが、額装についてお考えになったことはございますか?これが、案外、ご存じない方が多いようで…。
私共のギャラリーでは、「ずいぶん昔に購入した作品の額装を変更したい…」というお客様の要望にもお応えできるよう、額装のアドバイスも行っております。なかなかお打ち合わせさせて頂いていても、「よく分からない…想像するのが難しい…(-”-)」と、おっしゃる方、多いようです。そこで、本日は、ちょっと例を用いながら、ご案内してみたいと思います(*^^)v
上記のように、モノクロの作品を例にすると分かりやすいのではないかと思います。シンプルな絵柄だからこそ、額で遊んで、コンテンポラリー感を全面に押し出すのも、面白い方法でに、絵柄の雰囲気に合わせて、色をまとめる。
⇒(1) 夜の絵柄なので、暗さ(闇の雰囲気)を表現する。
⇒(2) 子犬が蝶を追う愛らしい様子なので芝生を表現する。
⇒(3) まさにコンテンポラリーアートらしい斬新な額装ですが、実はこの描かれた鳥、「赤カナリア」なのです。鳥に詳しい方でなければお気づきになりませんよね?作品はモノクロですが、額装で鳥の本来の色を表現する…とても、深いご所蔵された方にしか分からない選定かもしれません。
ここで、一つ一つの名称をご案内します。
多少、額装会社により多少異なるかもしれませんが。
一番外枠にあたる部分が、棹(木が多く使われます。)
表面を専用のペンキで色付けし、木枠本来の味を出す方法。凹凸感などが自然に仕上がります。他には、表面がツルッとした塗装方法で、まるでプラスチックのような手触りのもの。色も、この世に存在するもの大半が出せます。元々、棹見本をご用意しておりますのでご覧頂ければ一目瞭然(^_^)/~ 当然、その見本にないものもお作り出来ます。
次に、マット。これは、棹(外側の木枠)のひとつ内側にあたる部分。
絵と棹を結ぶ境界部分です。
この部分の素材は、紙、生地、木材などがあります。平たいものを使用すれば、表面のアクリル板(ガラス面)が近くなりますし、カーブのあるものを使用すれば、奥行きを出せます。絵柄と棹の境界線ですから、色や質感が勝負です。作品を殺してしまうような色やデザインは使えませんし、かといって、平凡なものはイヤだ…など、色々と話し合いながら決めていくことが出来ます。
ゴールドやシルバーは、比較的、よく使用されます。一昔前に流行ったヒロ・ヤマガタさん、ラッセンさん、シム・シメールさんなどに代表される版画作品は割と大きなサイズのものが多く、版画の特性を生かすと共に、美しく引き締まった枠を演出するのに、大変多く使われました。
外枠の棹の色に合わせて同じ色の刃先を作るのです。 おしゃれな雰囲気に仕上がりますね(#^.^#);;多くの中から選んで決めていきます。
お客様の大半は、作品選びはしっかり行うものの、額装はギャラリーにお任せしたまま…という方も多いはず。ギャラリーに専門スタッフがいるようであれば、自身のご意見等ぶつけてみてはいかがですか?きっと色々な思いがけないようなアドバイスがもらえるに違いありません。
次回は、海外での額装の様子を面白くお伝えしてきたいと思います。
お楽しみに☆