つだなおこ先生のこと…。
初めて会ったのはフジムラコンテンポラリーアートのギャラリーだった。他の人に熱心に自分の絵の描き方をレクチャーしている姿が忘れられません。
先生の絵を見ると、とても白い線の描き方が不思議で印象的でした。画材も何を使っているのか、不思議な色合い。炭でもなくやたらに光沢があり、まさかそれが鉛筆だったとは! 最近は鉛筆も使う機会がなく、シャープペンシルやボールペンで書くのでどうも鉛筆が持つ風合いを忘れていました。
BからHまで、いろいろ使い分けて、消しゴムで濃淡もコントロールしている。白い線は鉄筆で最初に入れてから、鉛筆をぬりかさねていく「ハッチング」という手法を実際に自分で体験させていただいて絵の大きさと、細やかさを実感できました(^-^)・’’・。・’
気になったのは鉛筆だけの塗り重ねでは絵の表現が制限されないか、余計な面を手でコスって駄目にしてしまうことはないかということです。
昔、ノートに鉛筆でいろいろ書いていると、手のひらで字をコスって周りを黒くすることありましたよね+(-”-)+(-”-)+(-”-)+
だからこそ、最初の鉄筆での線入れを行って白い線を際立たせてていたのです。最初に鉄筆の線だけでほぼ絵を仕上げてしまうことで鉛筆を塗りこむハッチングを行った際に線を潰すことがないそうです。白い面を鉄筆の線と光加減だけでほぼ全体を仕上げてしまう、なんと労力のいる作業でしょう。
小さいものはそれでのいいかもしれないですが、B1版位の大作になると気の遠くなるような作業ですが、「私ハッチング作業が好きなの…」と、その後の鉛筆での塗り重ね作業を楽しみにコツコツ作業をすると聞いて、どんな作業でも後の楽しみがあるということが作業の励みになるのかと感心しました。
先生のモチーフにはかなり動物が使われています。先生も動物好きな方のようで、僕が「靴を履かせた犬を町で見かけた。」というと、「ギャラリーの看板犬ジュンにも、履かせましょう!」とか面白がってくれたり、“昔飼っていた鳩の話”をしたり、絵の元になった動物の話だけでも飽きさせずにいろいろ話してくれました。
僕もいろいろな動物を育てた経験があるので、実際に話に出てきた動物を飼っていたということも、妙に親近感を抱かせてくれました。ちょっと気になったことが、このギャラリーで扱う日本人作家の絵は『細かいものが多いな…』ということです。『絵の書き込みの細かさ☆』は、実に驚きです。
鉛筆の削りカスも画材として大切にする姿勢には、今流行りのエコではないのですが「無駄を出さない!」「線のなかにも塗りこみをする!」等、画材を大切にする気持ちを感じました。
なおこ先生ですが、今後はいろいろなコラボやスウェーデンの作家の絵本の絵を描く予定などが入っているそうで、なかなかギャラリーでも見れなくなってしまいそうですが、ますますの活躍を祈っております。
本日は、EIKIさんに頂いた「つだ先生のレポート」をご紹介させて頂きました。有難うございました。