増田寿志画伯は、すべての作品の写真を自らが撮り、その上で制作を行っています。
例えばこの写真↓
アラスカのデナリ国立公園で撮影されたムースのオスです。おおよそですが、700kg程の体格だろう…と画伯は教えて下さいました。被写体まで数10メートルの距離。
こちらの写真は、同じくアラスカのデナリ国立公園で撮影されたメスのタイリクオオカミ。増田寿志画伯はこのオオカミについてこう語っています。
今から約15年前、3年程の間に数回アラスカで会ったオオカミ。私はこのオオカミの生き様のほんの一端を垣間見せてもらいました。人との接触を嫌い、常に隠密な行動をとる彼らとの“時間”は、すべて合わせても数時間程度だろうと思います。
広大な原野の中を移動し、休み、獲物を探し、忍び寄る。そしてハンティング。人知れずただひっそりと紡がれていく自然の中の物語。深い野生の気配だけを残して、再びオオカミたちはアラスカの風景に紛れていきました。東京とアラスカ、スズメ達を人々の日常と隣り合う“自然”とするならば、オオカミは最も遠い“自然”と言えるかもしれません。
しかしながら、与えられた場所で凛と立ち続けるその姿からは共に、いつもと変わらない同じ“いのち”の有り様が見えてきます。
これは増田寿志画伯の地元、北海道で撮影されたエゾリス。
冬眠をしないエゾリスは真冬の寒さの中、秋に溜め込んだ餌を雪の中からかき出し食します。まさに、雪をかいて掘っている真っ最中のエゾリスを撮影なさった訳です。キョトンとした表情が、愛おしいですね。
これらの写真があってこその作品達…。主人公である動物たちのありのままの姿が作品となって、ギャラリーには展示されています。是非、お楽しみ下さい。