先日公開の『二人の青空』の制作秘話をご紹介します。
作者は、鹿児島在住のMIYUKIさん。15年以上前から、物語の執筆を行っていたMIYUKIさん。昔は、沢山の動物たちが登場する絵画作品に合わせた物語を作成していらっしゃいました。当時のものは、かなり長編。また、動物と動物の出会いを優しく表現した心温まるファンタジックなストーリーでした。しかしながら、仕事量の増加に勝てず…次第に執筆から遠のいていらっしゃいました。当然、気持ちも少しずつ離れて…
そうこうしている内に、世の中で流行する絵画作品の傾向も変わり、時代が進むに従い、個性豊かな作品たちが競い合うように台頭してきます。日本全国どこでも見られていた動物がモチーフの作品たちも影をひそめ、MIYUKIさんもそれらの作品を余り目にしなくなった…と仰っています。かれこれ10年以上前の話でしょうか?
そんな時に、偶然出会った『キム・ソングン』作品。
青空がテーマの作品は、疲れていたMIYUKIさんの心に、スパッと入り込んできました。不思議なものです。MIYUKIさんも仰っていました。好きになるのに時間はいらない…有名な画家さんかどうか?も、その後の話…。スタッフのみんなと楽しく会話しながら気持ちを共有できる作品かどうか?。
一番大切なのは 『心 』。仕事もベテランの域に入り、求められるものも増える中、次第に自分の時間も減り、でも責任感だけは強い彼女には重圧に感じる時もあったようです。私どものギャラリーは横浜。MIYUKIさんの住む鹿児島からはかなり離れた場所にありますが、互いに頑張って連絡し続け、励まし合い、時には直接会う機会を作り…そんな関係が長く続く中、MIYUKIさんもこのキムソングン画伯に直接お会いおする機会が訪れます。なんて感動的☆★
優しさが、その笑顔から、その瞳から、その言葉から溢れるキムソングン画伯は、日本語が出来ませんが、まるで言葉が通じているように、心が通じ合う感覚を与えてくれました。
そんな幾つかの出来事は、毎日に追われるMIYUKIさんの心をも刺激しました。「また書いてみようかな?」。
「余り無理なさいませんように…」。そんな言葉をかけながら幾日か過ぎた頃、「ちょっといいアイデアが出てきたの!!」と。これも数年前の話。その後完成した物語は、このブログでも過去、公開され、大きな反響を呼びました。
じゃんじゃん書いて、消す!!!
そんな歴史を持つMIYUKIさんにとっても、ゆかりのあるアーティストが、キム・ソングン画伯。私どもフジムラコンテンポラリーアートでの「キム・ソングン展」開催も5年ぶり。海を越えれば、様々な事が起きる…それは仕方のないこと。でも世の中が平和でなければ、こうして文化やアートの交流なんて継続できるはずがありません。
ちょうど日本も東日本大震災を経験して4年の時が流れました。時として人は脆く、自然の脅威にさらされてしまいます。キムソングン画伯の郊外のアトリエも洪水で流される悲劇に見舞われました…。大変なのは自分だけではない…そんな事も今更ですが、感じることが出来る。それは、どんなに大変だった時も、声を掛け合い、互いを思いやったからこそ。
キムソングン画伯には改めて感謝申し上げたい…と今展では心から思います。あわせて、MIYUKIさんも、今回は様々な思いを持って、この物語を仕上げて下さいました。勿論、このブログをご覧頂いている全ての方にお楽しみ頂くと同時に、画家ご本人にも、またキムソングン作品に未だ触れたことのない方々にも、この物語を通じて、心の温かさや青空の美しさの大切さ…などを感じて頂ければ…と思います。
この物語が仕上がるまでのMIYUKIさんは、多忙極まりなく、ご家族やご自身の体調不良なども重なり、予定日までに仕上げられるか?などお話しなさっていましたが、不思議なもので、書き進め始めると、どんどんパワーアップし、体調も回復。
この手紙にもあるように、「キムソングン作品」=「青空」。「自分がテンション下げてなんかいたら、物語なんて書けないよね?」なんて話をするにまでなると、かなり方向性が決まり、実際に文章もまとまり始めていました(M 。M)最後に、そんなMIYUKIさんを支えた地元の海や空をご紹介します。
ある日の冬の空・。・*”★
多くの豊かな自然に囲まれたMIYUKIさんの住む広い鹿児島の中でも、お気に入りのポイントがあるそうです。小高い丘から見える海と空。この物語にも描かれた海と空は、MIYUKIさんの周囲に溢れるそのままの自然だったのかもしれません…お忙しい中での執筆、作品資料の提供など、、、本当に有難うございました。キムソングン先生にもお楽しみ頂けるよう、韓国語に翻訳しなければなりませんね!!!!!