フジムラコンテンポラリーアート初の「IRON WORKS SHOW~鉄の芸術~」展がついに公開されました。
今回のアートは鉄の工具を使って金属を自由自在にあやつる素晴らしい世界をお楽しみ頂けます。
絵とは全く素材の異なる新しいジャンルの物ですので、皆様に是非ギャラリーへ足を運んで頂きたいと思っております。
今回の取り扱いは立体芸術。
なかなか本来の良さをこの画面だけでは伝えられませんが、精一杯、アーティストの代弁を務めてまいりたいと思っております。
「IRON WORKS SHOW~鉄の芸術~」のテーマについて
近頃は、テレビでも「不景気!不景気!」と、世界中がつまづきを感じ、希望をなくし、せめてもの癒しを求めて…と、文化やスポーツ、食に関することが多く取り沙汰されるようになりました。
私達FUJIMURA CONTEMPORARY ART.ではこのような時代の中にも関わらず、昨年からアーティストKIM MIN HEE(キム・ミンヒ)先生と情報交換し、直接会いに行った結果、今年こうして皆様の前に作品を披露できるようにまでなりました。このアーティストは、大変多くの勉強を積んで、今の制作に取り組んでいます。才女です。
そんなアーティストがテーマとする<自然と生命>。
自然から生まれるもう一つの宇宙を表現するが如く、新しく斬新な作品を生み出しています。多くのものを様々な角度から学んできた結果、行きついたのは、とてもシンプルなテーマでした。
この才女の操る素材の一つが金属(シルバー)に対し、<自然と生命>を感じさせる中核のモチーフに「植物」という大変柔らかなベースがあります。
ここ数年は、インテリアの発展に伴い、一般家庭に飾る花も生花やドライフラワーに限らず、ブリザードフラワーやアメリカンフラワー、ポプリなど、インテリアフラワーの種類も大変増えてまいりました。
この作品の金属(シルバー)ではない部分をよくご覧下さい。複数枚に重なり合った柔らかな素材が、大輪の花を咲かせたように、ふくらみと優しい曲線を描いています。この金属(シルバー)以外の素材部分も作品により、少しずつ仕上がりが異なります。軽いもの、しっとり重たさのあるもの…など。
このアーティストは「私にとって、自然は大切なもの。温かさを感じることは、自然を感じることではないだろうか。」と問いかけてきます。
人は季節を通し、様々な草木や花を目にし、さらに季節を感じるのです。その季節の中に起こった数多くの想い出と共に…。FUJIMURA CONTEMPORARY ART.では、一生残るあなただけの心の花のようなアートをお届けしたいと思っています。
ちょうど今の季節だと、街中の咲きほこる桜を見ると何故かうれしく新しい気持ちになりますね(特に入学する訳でも、入社する訳でもないのに…。)
また、生花の命がほんの僅かなのに対し、ドライフラワーだと花や草木を乾燥させて作る為、色は変わり果ててしまいますが、好きな時期ずっと飾ることが出来ます。
それに対し、ブリザードフラワーは生花にオーガニック系の染料を吸わせ、特殊な加工を施すことでナチュラルな姿や風合い、鮮やかな花色を長く保ったまま長期間飾ることが出来ます。これは、欧米諸国を中心に発展した新しい技術の加工花だそうです。このブリザードフラワーは、その花が見ごろを迎えた頃に摘みとり加工する為、花弁のやわらかさも保てるのです。余談ですが、ブリザードフラワーに人気の花はバラだそうです。
このように、インテリアとして飾るものに花や草木を用いたいという心理は、世界中の人々が持つ永遠のテーマなのです。そのような中、私共FUJIMURA CONTEMPORARY ART.が取り扱う今回の小さなオブジェは、花を花として生かしたまま飾ることを技術的に考えたのではなく、別の自然の素材を使い、「花のように」美しい作品を創造の中から作り上げたものなのです。
「IRON WORKS SHOW~鉄の芸術~」を生み出すキム・ミンヒ
続いて、これらの作品を生み出すアーティスト《キム・ミンヒ》についてご紹介します。
芸術の世界では、様々な芸術家が自由なアイデアの基、日進月歩新しい作品を生みだしています。それは見る者の心を刺激し、新しい世界へと誘います。
そんな芸術家達の中でも、自分が操る画材・素材を原子レベルにまで入り込み研究し、表現する芸術家は稀ではないでしょうか。
キム・ミンヒ…
1996年韓国中央大学工芸学科首席卒業。
1998年同大学院卒業。
2001年同大学大学院デザイン学科入学。
2007年同大学大学院卒業。博士号取得。
現在、韓国中央大学工芸学科教授、韓国工芸学会理事‥他。
つまり、芸術家としても研究家としても第一線で活動しているのです。全てを知り尽くしているからこそ、表現できる世界がそこにはあるのです。
糸のこぎり。
15年以上愛用しているもの。今では作品の制作に欠かせない大事な存在になっています。どんな最先端の道具よりもシンプルなこのタイプが一番だとキム・ミンヒ先生は言います。
この糸のこぎりを使用し金属版切断、作品の形を作っていきます。
手動練磨式クリーナー機。
化学薬品の液体と無数の小さい金属玉が入っている本体の中に金属を投入。ぐるぐると回転させて金属に自然の光を取り戻させます。
キム・ミンヒ先生は自分の制作活動についてこのように語っています。
私は冷たい金属を加工する人間である。金属を鉄鎚で叩き、形を変える行為は私にとって人生をたたく音であり、エネルギーを吹き込んでくれる重要な要素の中の一つである。私のはいつも冷たい金属版とつまらなく見える素朴な石、紙をとめどなく眺める行為から始まる。
そしてそのような行為を通じて私はその材料が世界に伝えようとしている様々な美しいイメージを視覚的、聴覚的言語で具体化させることに没頭する。たとえ冷たい金属でもポカポカ暖かな存在に生まれ変われるよう願いながら…
普段の生活の中で、私たちなら気付きもしないとても小さな世界に目を凝らし、心を傾け、その想いを形にすることに全ての情熱を捧げているのです。
そしてまだ誰も目にしたことの無い新しい作品を生みだしているのです。
「IRON WORKS SHOW~鉄の芸術~」の素材“シルバー”について
最後に、作品に使われている主な素材「シルバー」についてお伝えしていきます。
シルバーの歴史
シルバーがゴールドに次いで貴重な神仙薬と言われるように、シルバーはゴールドに次いで、あるいはそれと並んで、人類文化史上、尊重されてきました。ゴールド同様、経済的なものより美意識上の価値が大きい、また通貨の材料として、各種の装飾、装身具としての価値をもってきました。その光沢から、多くの言語においてシルバーをさす用語は、「白く輝く金属」を意味します。
シルバーはまた、”純粋”や”無垢”を象徴するとされていて、ゴールド=太陽に対して、シルバーは月と結び付けて観念され、シルバーは月の影響の下に成長すると考えられているそうです。
シルバーの特徴について
磨くことによってプラチナよりも強い輝きを放つことが出来るのが、シルバーです。宝石のエネルギーを安定させ、その性質をサポートする働きをします。
シルバーは直感力を高め、情緒的すぎる考えを調整し回復させるとも言われています。潜在意識の具現化を助ける働きをします。
シルバーは人間が使用した最初の金属のひとつで、落ち着いた柔らかな白い光沢が特徴ですが、全ての金属の中で(水銀とともに)もっとも可視光線の反射率が高く(反射率は90%、赤外線は98%を反射します)、研磨することによってプラチナよりも強い輝きを放つことができます。
シルバーはゴールドと共に人類がもっとも親しんできた貴金属で、同じ白でもプラチナと比べて落ち着いた光沢が特徴です。
シルバーの魅力について
シルバーとは不思議な力をもつ、幸運と魔よけのシンボルとされてきたそうです。古代のある時期、シルバーはゴールドよりも貴重だと考えられていました。
伝説では、シルバーは“月の金属”。
ゴールドが太陽を象徴するのに対し、シルバーはそのやさしい色から三日月と結びつき、月の女神として崇拝されていました。“幸せになる”“裕福になる”“恋人ができる”“願いが叶う”…など、そのどれもが、“心や体が満たされる”ものばかりです。人が身につけたいと感じる何か特別な力を持っているのかもしれません。シルバーはその金属の持つ振動数によって惹き寄せられたり、人に良い影響があるともいわれているそうです。
日頃、シルバーというと身近なジュエリーなどに代表される金属ですが、実はこれ程に奥深いものなのです。
その奥深い素材で作られた“小さなオブジェ”作品を、FUJIMURA CONTEMPORARY ART.初公開で展示しております。
ご来場の際には、金属以外のこだわりの素材についてもご案内させて頂きます。
現在、大変数多くのお客様方にギャラリーまで足を運んで頂いています。皆様、お誘い合わせの上、お急ぎ、来店下さいませ。