FCA海外ツアー第8弾“フィリピン・セブ島”レポート vol.3

今日のレポート…FCAのお客様ツアーレポートの中では『芥川賞』。文才に長けたHIDETOSHIさんの、とてもとても綺麗な描写を、どうぞお楽しみ下さい。


セブ島2日目の午後、市街地から1時間程移動し「パシフィック セブ リゾート」へ。雑誌やインターネットなどで海の中に桟橋がある風景としてよく紹介されている場所です。ただ到着した頃は干潮の時間帯だったらしく、見事な干潟が広がっていました。

 

海で泳ぎましょう!という気分で到着したら目の前には海がありませんでした!大自然のサプライズ。中々に面白い展開で、私個人としてはこんなハプニングは楽しかったり。FCAスタッフも予想外な事態に驚いていたようですが、その後プールで泳いだり桟橋の先まで歩いたりと、各々が南国の雰囲気を満喫していたようでした。

 

長く伸びる桟橋( ̄▽+ ̄*)

長く伸びる桟橋( ̄▽+ ̄*)

 

さて今回のFCAツアー、2015年9月に行われたGEHRY WELTYの“Night Rainbow”から海を目的としてのフィリピンはセブ島、という事だったのですが。この場所で見た光景が無ければ忘れていたところでした。

 

その感動をサラッとスタッフに感想として伝えたところ、セブ島の海と作品を絡めてのレポートの提出の任を受けてしまいました(正直どうやって書けばよいのやら、という気持ちでした)とは言えあくまでその時に感じた心情や、光景に絡めた情景を表現するしか出来そうにないのでレポート、と呼べるかは微妙かと思いますが、なんとなく感じて頂ければ幸いです。

ほどよく遊び疲れた後の、まったりとした時間。青かった空が夕陽に染められ、ゆっくりと茜色に変わる頃です。見渡す限りの水平線、雲に透ける光と影。体の中が一瞬で真っ赤に染まり、思わずため息を吐く程に圧倒的な景色でした。視点、というより意識が遠く、夕陽の沈む先まで伸びていくような、そんな景色です。

 

茜色の異国の地

茜色の異国の地

 

そして夕陽が海に隠れ、茜色の空が再び青くなります。刻一刻と青が深く、藍に変わり徐々に暗さを増してきた頃。

海を眺める視界の端でヤシの木が影となり、葉が空に浮かび針のような線を描いています。海は真っ暗、空だけが黒色に見える程に暗い藍色なのに、透き通るような印象を受けます。

 

次々に、変化していく空と海の色

次々に、変化していく空と海の色

 

その瞬間、目の前で移り変わった夜空の色と、日本の、FCAギャラリーで出会ったWELTYのアクリル作品で表現されていた夜空の色が、重なった瞬間でした。

風に揺れるヤシの葉、微かに聞こえてくる潮の騒めき。セブ島で見る南国の夜景を通してWELTYの作品を幻視し、影の揺らめき、波の音を組み込んで記憶の中の作品に圧倒的なまでの臨場感が加えられてゆくのを感じました。

 

 

不思議な感覚でしたが、現実の風景の中にWELTYの作品がピタリと納まったような、そんな気持ちを味わっていました。

絵具で表現された色調、透明感のある暗い藍や、影のヤシの繊細な形。
作品の外側や裏側に続いている世界が視界一杯に広がって、一つの大きな絵を眺めている。感動のあまり、言葉も無く見惚れていました。

 

ほんの数分で空の色は黒一色になりましたが、終わった後も余韻に浸れる位の素晴らしい光景。現実の風景と作品の世界が重なり合うように拡張していく、そんな錯覚を感じながら。いつまでも記憶に留めておきたい、濃密な一瞬です。

 

異国情緒

異国情緒

 

現実の風景を通してWELTY作品を感じるという体験は通常起こり得ないだけに、WELTY展で出会えたNight Rainbowという作品と、この時この場所で、この一瞬に出会わせてくれたFCAツアーには感謝しております。本当に、ありがとうございました。

 

ショッピングモールにて

ショッピングモールにて

 

船上での1枚

船上での1枚

 

南国ジュースで乾杯♪

南国ジュースで乾杯♪

 

BBQ

BBQ

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