【水彩画】チワワのくーよんちゃんを描いたペット肖像画の完成事例
今回ご紹介するのは、以前紹介させていただいたチワワのくー&よんちゃん作品の第2弾完成事例です。
人生初となる、“ご家族の肖像”をご所蔵いただき、「絵画のちから」に大きく感動してくださったお客さまからいただいた、(毎度“記念すべき”とつけたい…)記念すべき2作目となる、ご依頼です。
1枚の絵に2匹を描く「ダブルポートレート絵画」をお楽しみください♪
▼くー&よんちゃん1作目の完成事例
【水彩画】ペット肖像画のご注文/ダブルポートレート
今回ご依頼いただいたお客さま(ご夫妻)の“ウチの子”は2匹のチワワ、くー&よんちゃん(くーすけ君&よんよん君)。
約4年遅れで家族に加わったよんよん君にとって、くーすけ君は兄貴分のような存在です。
どちらも個性が光る、愛くるしいチワワちゃん。
“兄貴分”のくーすけ君は、飼い主さまが仔犬の頃からお別れまで寄り添った初めてのワンちゃんでもあります。
お客さま:
「2000年1月頃、ミニうさぎの“くらのすけ”という子を家族として迎え入れ、とても可愛がっておりましたが早世してしまいました。」
お客さま:
「あまりに悲しくて、一緒に過ごした時を消し去りたいと思い、ケージなどの思い出の品はすべて隠してしまいました。一縷の光を探しさまよう中、同年の6月に出会ったのが“二代目くらのすけ”、チワワのくーすけです。
『無償の愛』という言葉を教えてくれたのがこの子です。」
ペット肖像画については
こちらからご連絡ください♪
出会いは横浜市のペットショップ
温厚な性格で、吠えた声をあまり聴いたことがなかったという、大人しく優しく、どんな時でもマイペースであったくーすけ君。
出会いは横浜市のペットショップでした。
興奮し主張するその他のワンちゃんたちと違い、視線が合ったくーすけ君は潤んだ瞳をしつつも騒がず、キョトンとして飼い主さまたちを見つめていたとのお話。
一度お店を出たものの後ろ髪を引かれる思いがし、ご夫妻一致で「やっぱりあの子だよね…!」と、くーすけ君を家族に迎え入れたそうです。
ペット肖像画のお客さまからは、このような出逢いのきっかけについても伺います。
さまざまなケースがあると思いますが、ペットショップなどでは今回のように、どこか“波長が合う子”を皆さまお迎えするのだと思います。
選びに行くつもりで、逆に選ばれている…!
そんなことも、出会うべくして出会うペットショップではあるのかもしれません。︎
お客さま:
「とっても優しくて、甘えん坊で、僕が起きていても寝ていてもいつもまとわりついてきて、“目の中に入れても痛くない”、かけがえのない存在になっていきました。」
ペット肖像画製作所で打ち合わせ
これまでも旅行先でのくー&よんちゃんのたくさんのお写真を拝見していましたが、前回ご依頼いただいた「鉛筆画」が、お部屋のひだまりに寝転がる2匹の肖像だったこともあり、今回は“戸外”のくー&よんちゃんを描く絵画、“躍動感”ある姿を絵にするという内容で盛り上がり、お話し合いが進みました。
一緒に旅ができるように車に酔わない訓練なども重ね、ついに遠くは長崎にまで遠征ができるようになったとのこと(すごい!)。
米袋のお米や魚の骨を丸呑みしたり、座布団をムシャムシャ喰んだり…ホッカイロの中身を食べたりと、驚かされる武勇伝も多々あります。
最終的に、“犬友”でもあるご友人の方々と山中湖へ行かれた際の写真に、とても絵になりそうなワンシーンを発見…!
そのお写真がこちらです↓
日頃あまり走らない2匹が同時に走っているのが極めて稀なことから、奇跡的なショットといえます♪
また、大切に保管されていたお洋服の写真も、追加資料としていただきました。
このように、ダブルポートレートではお揃いのお洋服を着た2匹を描くのも大変かわいい演出です!
お話し合いを重ねながらお互いの理解を深めていき、ついに待望の水彩画作品が完成しました。
ペット肖像画については
こちらからご連絡ください♪
【水彩画】ペット肖像画の完成
きっと向かう先にはご家族であるご夫妻が…と、目線で想像させる“いち場面”の絵です。
“向こうから走ってきた”臨場感が見事に出ています。
アーティストからのメッセージ
どちらもチワワちゃんということですが、ロングコートのくーすけ君、スムースのよんよん君、写真で比較するとそれぞれの形態もよくわかり、同じ犬種でもすごく「個性」が出ている子たちだったので、2匹のキャラクターが出るようにと描きました。
今回は走っている場面に伴う「動き」のある絵になるよう、それぞれの毛並みにこだわりました。
風を受け、空気を含んでいるような毛の印象が出るように、毛の流れに一層留意して筆を運びました。
そういう点では、長毛のくーすけ君のフワッとした胸毛や尻尾は風を起こしやすかったです。
一方、よんよん君は、前脚の骨格など跳ねている様子を出すのに苦心しましたが、好奇心旺盛なキャラクターを表情で出せたらと思い調整を重ねました。
お写真が日陰になり全体的に少し暗かったので、陽光の下にいる明るい雰囲気でご覧いただきたいと思い、花畑の前に座っている他資料などを参考に自然光の明暗を加減しました。
また、お洋服のデニムにもお日さまが当たっている風に明るめに青を濃く出しましたので、よんよん君側の青みが強調され、メリハリが偏ってしまわないように…
胸毛でお洋服の「青色」が少ないくーすけ君側には、お空の青色(水色)を足してブルーのバランスを整えました。青を強くし、空を描き込みすぎると、遠近に違和感が出てしまうので、いつも加減が難しいところです(笑)。
お別れをしてまだ日が浅いということだったので、見ていて明るい気持ちになっていただけたらと、ご自宅に飾られた後のことも意識して描きました。
足元をよく見ていただくと、四葉のクローバーもいっぱいにしてあります。
製作時は、我が子のように思いながら描かせていただきましたが、ご家族にとってどう映るのか気になるところなので…気に入っていただけたなら嬉しいです!
ペット肖像画については
こちらからご連絡ください♪
作品完成後にいただいたお客さまの声
晩年、腎臓機能が低下し余命約1年と申告されてしまった、くーすけ君。
しかし何とその後、飼い主さまの献身により3年半もの間、飼い主さまとともに闘病してくれました。
以下、お客さまからいただいたメッセージです。
鉛筆で描かれたくーすけ・よんよんに出逢い、絵画の素晴らしさがほんの少しだけ理解できたような気がします。
シンクロしながらの日向ぼっこを、その時の記憶を鮮明に蘇らせて頂きました。【静】の中に暖かみを感じさせ、まどろんでいる姿を見事に描写されている姿に感動しました。
私のお気に入りの写真(お友達に撮影して頂きました)の中に、珍しくふたりが一生懸命走っている写真があります。
ただ、曇天のせいか写真に明るさが無く、まるで夕方に撮影したような構図です。
今度は、この写真に色を付けて描いて頂きたいと思い水彩画を依頼しました。
数ヶ月後、完成品を拝見しました。
なんと、あの暗っぽい写真が、明るいお花畑の中でふたりが躍動感いっぱいに走っているではないですか。
水彩画って筆を使うと思っておりましたが…あの子たちの毛並みが丁寧に一本ずつ描かれていることにも驚かされました。
神業です!!
どうしたらあの暗い写真を見て、あの子たちの艶々な毛色を表現できたのか不思議な気持ちです。
ふたりの情報も僅かしかありません。まるで、生き写しのように描かれておりました。
画家さんの才能、技術もさることながら、私たちの気持ちに寄り添い、その想いを伝えてくれた画商さんのファインプレーがあってこそなのだと思います。
いろいろな会話のなかで、私たちの好み、ものの考え方、あの子たちをとても愛しく思っていた熱い気持ち、などを細かく分析していただき、私たちが喜ぶ仕上がりに導いて頂いたのだと思います。
今までは、あまり思い出したくない記憶、思い出すとつらくて心が【ザワザワ】してしまう…しかし、肖像画の中のふたりと出会ってから、 いつも思い出してあげたい、心に刻みたいという気持ちになりました。
(参考写真選びで、旅行先の写真を見ながら)サービスエリアでお散歩、ご飯、フルフラットの車内で雑魚寝したことなどを昨日のように思い出します…懐かしいなぁ、と。
比較的元気な姿で天寿を全うしてくれましたが、僕たちのために元気を装ってくれたのかと思うと、今でも胸が締め付けられる思いです。
でも、多くの喜び、笑い、幸せを与えて頂き、とても楽しい16年間でした。
その恩返しに多くの肖像画に元気なクースケ君を描いていただき、いつも思い出しながら共に生きていこうと…いつも一緒だよ!
クースケ、ありがとう!
奥さま:
「なぜ、飼い主の私達が日頃捉えていたように描けるのか、会ったこともない作家さんがここまで“くー&よんの印象”を再現できるのだろうと不思議です。毛並みのクセなんかも、本当にそのままで…くー&よんを思い出します。」
ペット肖像画については
こちらからご連絡ください♪
担当スタッフからのメッセージ
2作目となるご用命…誠にありがとうございます。
1作目で「肖像絵画」というジャンルを知っていただいた後の今作では、「画風」にも本格的に向き合っていただける機会をいただきました。
こうして異なる画材で同じ“ウチの子”を作品化することは、絵画の楽しみ方、所有する豊かさを知っていただく近道だと感じます。
もちろん、オーダーメイドは1枚でも贅沢で特別なものですが、旧作と比較できることで、それぞれの画材の表情(特性)や、画家の個性(魅力)を発見できます。
比較で一層わかる、異なる画材・画風の魅力
前回の鉛筆画作品は粉の画材で色はモノクロ[単色]、対する今回の水彩画は絵の具(液体)でカラー[有彩色]。
光の表現も画材で変わるため、この比較は必見です。
前作では“ひだまり”の暖かさを、差し込む斜光(光線)でお楽しみいただきましたが、今回は野を走るくー&よんちゃんということで、水彩絵の具にある「彩度(色の鮮やかさの度合い)」で野外にいる晴れ晴れしい場面を堪能できます。
水彩画家さんのセンスは、ハイライト(=紙の白)の使い方にも表れます!
水彩は、瑞々しいグラデーションを楽しめる画材ですが、どこまで塗り込むか、描きの足し引き加減がむずかしくもあるため、遠景を淡くぼかし、なじませることはもちろん、「ハイライト(=紙の白)」という空間を存分に活かす構成をしていただきました。
こうした遠近表現ができるのも透明水彩の魅力だと、くー&よんちゃん作品で実感いただけます。
また、水彩は、ボタニカルアート(植物画・博物画)という絵画のジャンルでも広く活躍してきた画材です。
花々の愛らしさ、瑞々しい生命感を出すに呼応した画材でもあり、優し気な色彩に癒やされます。
目線で変わる、画の物語性
また、鉛筆画作品では鑑賞者と目が合うように描かれていましたが、今作では左奥に向けられた目線が、飼い主さま方のいる場所を目指していることを連想させます。
背景ありき。
こうした動きや目線でも画の物語性が高まります。
【裏話】今作には、飼い主さまご夫妻の要素も絵の中に…!
ご夫妻が着用されていたお洋服の要素を、お花の色味に…!
くー&よんちゃんのお洋服が青、ご主人さまが黄、奥さまが赤…まさに「色の三原色」とも呼ばれる、色彩要素がバランスよく映える1作に仕上がりました。
『しあわせな日常の反復』を捉える
いっしょに過ごした時間をたどるご家族の肖像画は、1枚に絞りきれないもので、良い思い出と向き合う時間でもあります。
皆さまお別れ後は、しばらく…とても寂しく辛いお気持ちだと思いますが、絵にする際は「笑えるエピソード」「あたたかい想い出」について多く伺います。
ペット肖像画は、そういった『しあわせな日常の反復』を捉えるものでもあります。
胸あたたまる想い出の方がずっと多かったのだという気付きになればと思います。
たくさんのお写真を何度も拝見し、昔からくー&よんちゃんを知っているような気持ちです。
今作については制作エピソードと合わせ、ペット肖像画製作所で多くのお客さまに語らせていただきます。
くー&よんちゃんと培ってこられた思い出を、今後も担当として心重ねて辿らせていただけたら幸いです。
旧・鉛筆画に続く名作を共作いただき、ありがとうございました。
担当スタッフ:H
▼くー&よんちゃん1作目の完成事例
【水彩画】ペット肖像画 完成写真ギャラリー
ペット肖像画情報
■画材/サイズ
水彩画/A3サイズ
■製作年
2021年
■在住
神奈川県横浜市
■ペットプロフィール
犬:チワワ ロングコート/くーすけ君♂(享年15歳)
犬:チワワ スムース/よんよん君♂(享年16歳)
※絵柄のもとになった参考写真は、くーすけ君7歳、よんよん君3歳の頃の写真です。
ペット肖像画については
こちらからご連絡ください♪
▼くー&よんちゃん1作目の完成事例